●● Wonderful Every Day --- 聞いちゃいねぇ!! ●●
「「「すべては生徒会のためにっ!」」」
俺の虚しい叫び声が学校内に響き渡ってからどれくらいだろうか…。
父さんからもらった腕時計は縦揺れのせいで見えない…が、少なくとも20分はワッショイされたままだな。
「「「すべては生徒会のためにっ!」」」
ってかよく疲れないよなこのアリンコ集団。
あ、『アリンコ集団』っていうのはこいつらのことな。
『黒い』ってのと『集団行動』ってとこが似てるし。
うんうん、自分でもビックリなネーミングだぜ。
「「「すべては生徒会のためにっ!」」」
お?なんか動きが止まった…ぞ?
周りを確認したところ、1−Cの教室がある本館とは別の棟のかなり上の階らしい。
左側にはなにやら空き教室らしき部屋がいくつか。
右側には本館と同じように窓が並んでいて校舎に負けず劣らずデカイ校庭とグラウンドが見える。
正面は行き止まりらしくコンクリートのままだ。後ろは…向き的に見えない。
…待てよ?
なんでアリンコ集団はこんな寂しいところで止まった?
そしてなんで今、横揺れに変わった?
「「「すーべーてーはっ!」」」
「え?ちょっ待て!前見ろ前っ!壁だぞ壁!」
いくらなんでも頭から突っ込んだら死ぬだろうがっ!!
没年十五歳なんて死んでも嫌だぞ!? (注:混乱中
「「「生徒会のためにぃっ!!」」」
「やっぱり聞いちゃいねぇ――!!!!!!!!」
うぉお!!!壁が迫るぅぅううう!!!!
クッソォ!こうなったら…
「衛生兵!来るべき衝撃に備えるんだ!」
『イエッス・アー!…あ、隊長その前にトイレ行ってきていいッスか?』
「な、ならん!この非常時に何を考えとるか貴様ぁ!!」
『隊長、最近寝不足なんでぇー』
「うるさーい!どこぞの受験生じゃないんだ!さっさと衝撃に備えろー!!」
『将軍―――「私は隊長だあ!!ったく、ドイツもコイツも馬鹿にしおってからに…」
―――こうして山内尚史の人生は意味不明な脳内隊長の愚痴と共に哀しく散っていくのであった。
ボフッ
「キャッチっと♪」
ってアレ?…衝撃がやけにやわらかい?
しかもなんか包み込まれてるような…。
もっ、もしや!
ラブコメとかによくありがちな『美人の胸に顔面から突っ込む』をやっちまったのか!?
…いや、でもなんか相手の方からキャッチしに走りこんできたような…まぁ、いいや。
俺の予想どおりなら今顔をあげるとちょっと恥ずかしがってるカワイイ顔が……………。
「ふふ〜ん♪」
…うむ、理解した。
「って、コラッ!寝ないでよっ!」
くぅ、確かに同じ学校だってのは予想ついてたけど入学から2日目で会うなんて…ツイテネェ。
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