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● Wonderful Every Day --- 学食だぜよ! ●

キーンコーン♪

「ではぁ〜これでぇ授業を終わりまぁ〜す」

「礼!」

ほのかっち(命名:もちろん俺)の後に続いて華香が号令をかける。
それにしても1時限目から4時限までずっと総合って楽だったなぁ〜。
しかも、その間やってたことが『今年始業式はどうでしたかアンケート』に答えるだけだったし。
それにしてもさすがに10ページもある両面刷りのアンケートを最初に見たときはビックリしたな。
ってか『校長先生のカッコよさを10点満点で評価してください』とか『教頭先生は新しいスーツ着てたんだけどわかった?』の質問は正直必要なのか答えた今になってもわからん。

「HEI!Mr.尚史!この学校の初めてのお昼はDoするYO?」

隣のアフロ君に言われて気付いたけど今日、俺初めて高校で昼食食べるんだよなぁ〜。
っていうか、正直まだDoするか…もとい、どうするか決めてない。

「ここって学食とかある?」

数人のグループが机を合体させて弁当をひろげているのを見ながら言う。
弁当とか持ってきてないしなぁ。

「トーゼンあるYO!ちなみにパンとか売店もあるze?Meが案内するze?」

へぇ〜、売店ねぇ。
中学のときは給食だったからなぁ。
学食だけでもスゴイのに。
まぁ、とりあえず初日の今日は学食に行くとして。
それにしてもセイジの喋り方どうにかならないか?
知り合って2日目だけどこの独特な発音にまだ慣れん。
…何事も慣れるにはレッスンってか?
え〜と、【レッスン1・とりあえずマネしてみる】

「ヨロシク頼むze!」

「Oh!Yeah!それじゃぁMeに付いてきなベイベー!Wonderfulな学食へLet'GO!」

…ダメ…レッスン無理。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「付いたYO!」

「……やっとか」

にしてもこの学園広すぎ!
ここまでくるのに何回も角曲がったり階段降りたりしたぞ?
セイジがいなかったら確実に迷ったな。

「じゃぁ早速LunchをChoice!まずは券売機で券を買うんだze!」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


と、いうわけで今その券売機とやらに来てるんだが…

「ボタン多過ぎ」

「それだけ品数豊富ってことだYO!」

まぁ、そうとも言う…だがなセイジ。
いくらなんでも縦に数十列、横に7、8列あるのはおかしいと思うぞ?
しかも下の方になんか変なのあるし。
『激甘!イチゴカレー』とか『ホワイトチョコ丼』とか名前聞いただけでもうギブアップなんだけど。

「HEI!Mr.尚史!早く選ばないと後の人が待ってるぜよ?」

「そうは言われてもなぁ。これだけあるとやっぱ迷う…」

「ポチっとな♪」

「何ぃ!?」

突然現れた謎の手にボタンが押された!?
一体こんなヒドイこと誰がしますの!!

「ヤッホー尚ちゃん!」

事件に遭遇した奥様的表情で振り返るとマクドワルドの『0¥スマイル』に勝るとも劣らない笑顔を称えた恵美を発見。

「恵美さん!どうしてこんなことをしますの!」

とりあえず昼ドラ奥様気分で怒っておく。
さて、この子はどんな反応を…

「尚ちゃんが遅いから」

って、普通に返されたか。
ここは悪女風に「ふんっ、あなたが遅いのが悪いのではなくて?」くらい言ってくれないと。

「そうそう、セリちゃん達が向こうの席で待ってるから二人共料理もらったら来てよ!」

そう言って走っていこうとする恵美を捕まえる。

「『味噌ラーメン』は?」

ヒラヒラと恵美の前に食券を出してみる。
当然自分で押したんだから自分の分だよな?

「プレゼント・フォア・ユー♪」

そして、そのまま猛スピードでダッシュ。
はぁ、今日は俺『うどん』な気分だったのになぁ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「え〜と?どこだ?」

食堂のおばちゃんにもらった味噌ラーメンをおぼんにのせてから、隣を歩くセイジと一緒にこのホールみたいに広い食堂のどこかにいるはずの恵美たちを探す。

「お〜い、こっちこっち!」

みるとハルちゃんを含めた潮風荘の4人が手を振っていた。

「セイジ、いくぞぉ?」

そう言って空間に向かってラップか何かを口ずさんでいるDJの袖を引っ張る。
ったく、意識がどこかにいっちゃ困るぞ?

「おまたせ〜」

そして、そのまま空いていた晄の隣の席に座る。
セイジは俺の隣。

「いた〜だきます!」

「「「「いた〜だきます!」」」」

そして、もう潮風荘ではお決まりとなってしまった『幼稚園風いただきます』を何の疑問もなく完了。
っていうかセイジも普通にノッてくれたのがスゴイ。

「見てみて尚ちゃん!このエビフライぃ〜!」

と、目の前に何かものすごく大きな狐色の塊が出現。
いや、エビフライなんだけど…エビフライなんだけど…カレーとかいれるような大皿からはみ出すエビフライなんて認めたくない!と、父さんは認めんぞ!

「大きいでしょ〜?いいでしょ〜?」

それを自慢気に箸でつかみながら言う恵美はとても高校生には見えん。
小学生、よく見て中学生くらいか?

「いいなぁ〜羨ましいですぅ〜どこのボタンですかぁ?」

そして、その横で心底欲しそうにみつめるハルちゃんも同類。

「Woh!Meのマイクくらいあるze?」

お〜、さすがはセイジ。DJらしいサイズの表現だな。
ってか、お前は自分のマイクがあるのか。

「恵美ちゃん、また箸の持ち方おかしいよぉ」

瀬里奈。おかあさん的意見をどうも。

「『ビッグエビフライ定食』800円なり。ちなみに使われているエビはアマリカ王国の北にある海で取れた新鮮な『ドラゴンロブスター』だ」

さらに、どこから仕入れた情報なのかは知らんがとにかく説明ありがとうな。晄。
っていうかみんな個性的な意見ばっかりなのな。

「そういえば村山君、今日はいいの?」

「YES!明日からやるけど今日は非番なんだYO!それよりもMs.瀬里奈!『村山君』じゃなくって『セイジ』だぜよ!?まったく何回言ったらわかるYO?」

「え〜、だって村山君でしょぉ〜?」

え〜と、とりあえず二人は置いといて、

「晄、『今日は非番』とか言ってたけどセイジって何かやってるのか?」

「あ、そうか尚史は知らないんだよな」

と、そこでいったん意味ありげに区切る。

「まぁ、お楽しみってことでいいんじゃないか?」

お〜い、晄ぅ答えになってないぞ〜!
まぁ、いいや。さっきのセイジからして明日やるみたいだし。
明日までお楽しみにしときますかな。
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