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● Wonderful Every Day --- イケナイ子には… ●

「まさるへ
まさる、元気でお仕事うまくいってますか?病気になっていませんか?
お母さんもお父さんも元気にやっています。
さて、こっちでは美味しい大根がとれる季節になりました。
まさるはお母さんの作った大根の煮物がご飯にでると喜んで食べてましたね。
今でも懐かしみながら思い出して……」

「おふくろ〜!」

グスンと涙ぐみながら目覚まし時計を止める。
なんかだんだん高性能になってるのは気のせいか?
ま、とにかくだ。
今回も聞いたことがない設定だったから早速名前をつけよう!

「う〜ん…『THE・ホームシック』…いいんじゃね!?」

なんか『THE』ってはいると昔の映画の題っぽくていいよなぁ。
ん〜、レトロ最高!

「さてと、今日は学校があることだしサッサと起きますかね…って、起きれない!?」

寝起きだからって体がここまで重くなるはずないし…
いや、確かに昨日はちょっといろいろ出かけたけどさ。

「もしや、ここは俺の部屋によく似せた宇宙船の中で俺はもうすぐ『第3惑星・青い星の知能を持った生物』の代表として実験台になるのか!?」

それなら体に手術するときの道具みたいなのがあるはずだと布団を腰までめくると、そこには人間によく似た5本の指のついた手がある腕がガッチリと俺を固めていた。
う、宇宙人か!?

「しかも、宇宙人はクマさん柄のパジャマを着るのか!?」

自分でもありえないと思いながらも布団を頑張ってもう少し下の方までめくる。

「なんでハルちゃんがいるんだ〜〜!?」

信じたくないけど、そこには気持ちよさそうに寝ているハルちゃんがいた。
眠ってるとこもかわいいな…じゃ、なくてこの状態をなんとかしないと…。

「お〜い、ハルちゃん!起きろ〜!」

とりあえず、普通にゆすって見よう…


ユサユサ………ガシッ!


「腕!?掴むか?フツー」

しかも、なんか腕にやわらかいものが当たってるんですけど〜。
状況やばくなったんですけど〜。


トントントン…


「尚史〜?どうした〜?なんかあったか?」

晄か?どうやら俺の声が聞こえたから見に来たらしい。
どうしよう、この状況を見せて助けてもらうべきか、それとも自力で頑張ってみるか…

「大丈夫か〜?入るぞ〜。」

…ドアが開いた。
って、やばいじゃん俺!

「尚史〜?…って、春菜!?…ハハ〜♪人の妹に手だしちゃいかんぞ?イケナイ子尚史にはお仕置きが必要ですね〜!!!」

間接ゴキゴキ鳴らしながら晄がだんだん近づいてくる。
やべっ、目がマジだ。

「ちょっ!晄!誤解だ!頼む!助けてくれ!」

必死になって晄にハルちゃんにつかまれていないほうの手を振る。

「何々?どうしたの?」

そこに瀬里奈登場!…あ、こっち見た。

「…そんな…尚史君がそんな人だなんて知らなかったよ」

やばっ!瀬里奈まで誤解してるし…って、泣いてる?

「だから、誤解だって――「ん?…おはようございます。あ!尚先輩!」

変なタイミングでハルちゃんが起きる。
ってか、寝ぼけたままもたれてくるな〜!
余計に誤解されるじゃねぇか!

「うぁ〜、もう最悪!」

「お前がな!」
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