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● Wonderful Every Day --- いた〜だきます! ●

「俺の名前は谷村たにむら みつる!俺は気にしないから呼び捨てにしてくれ。いままでこの寮に男子一人だったから尚史が来てくれてすごく嬉しいよ。あと、『情報屋』ってのもやってるから何か聞きたいことがあったら聞いてくれ」

ところどころ笑顔が漏れる。
うん、なかなかイイ奴みたいだな。
『情報屋』って本当だったらスゴイけど…あ、ウケねらいなのか?

「わかった。これからよろしく!」

相手が男ということもあり勝手に手がスッとあがった。

「うん、こちらこそ!」

しっかり握ったその手はとても暖かかった。

「さて、自己紹介も終わったことだし俺は尚史に部屋案内しようかな」

「そうしてくれると助かるよ」

「「「じゃ、私も〜」」」

晄が言うと女3人組がきれいにハモッて言った。


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「ここが尚史の部屋」

晄の言った俺の部屋は玄関の近くにある階段から上がって5つある部屋のうちの一番奥の部屋だった。

「尚先輩の隣は私ですのでよろしくお願いしますです」

「ハルちゃんの隣が私です」

「で、俺がその隣だ」

「ミツ君の隣がわたしね〜♪」

簡単にいうと、階段側から恵美、晄、瀬里奈、ハルちゃん、俺だ。

「じゃあ、部屋の中見てみるか」

晄はそう言うとドアを開けた。

「うは〜!広いな〜!」

部屋には、大きいタンスやベッドが置いてあったがそれでも一人で生活するのに充分な広さだった。

「荷物解くの手伝うよ?」

晄が言う。そういや前に荷物送っといたんだった。

「あ、私もやります」

「後輩としてお手伝いさせていただきます」

「じゃ〜、わたしも〜」

「ありがと、頼むよ」

よかった〜。荷物多いから1人じゃ大変だったんだよ。


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みんなが手伝ってくれたおかげで思ったよりも早く終わることができた。

「あ!もうこんな時間!ご飯作ってくるね。ハルちゃん行こっか?」

「ハイです」

瀬里奈がそう言って階段を下りていった。その後をハルちゃんがついて行く。
そういや、いつのまにか瀬里奈の言葉遣いがかわってるな。まぁ、どっちかといえば今の方がいいな。

「料理って瀬里奈たちがつくるんだ。あ、もしかして日替わりとか?」

「いや、瀬里奈とハルちゃんしかまともな料理つくれないから俺と恵美はつくんない。そのかわり掃除とかは俺たちがやってる。だから分担制だな。尚史はどんな役割が向いてるかわかんないから今度決めような」

「そうだな。じゃ、リビングで待ってようぜ」


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しばらくすると瀬里奈とハルちゃんが料理を運んできてくれた。

「うわ〜!うまそ〜」

じゃ、あれでもやるか…俺はみんなを見渡して、

「手を合わせてください!」

パチッ 

「いた〜だきます!」

「「「「いた〜だきます!」」」」

「おお!」

一人感動する俺。
中学のときにこれやったらみんなに変な目で見られたんだよな…。
寮生活って思ってたよりも楽しいかもしんない!

その後も楽しく食事は進み、「ごちそうさま」もみんなにせがまれて同じようにやった。

「じゃあ、お風呂入ってきますね」

そう言ってハルちゃんが席を立つ。
う〜ん、なんとなく目がトロンとしてて眠そうだ。

「あ、そうだ! 尚先輩も一緒に入りますか?」

その場にいたハルちゃん以外の全員が硬直する。
張本人のハルちゃんの顔はいたってマジメなご様子。

「え、遠慮しとくよ」

当然だ、俺は犯罪者にはなりたくない。
確かにちょっと迷ったけどな…ちょっとだけだぞ!

「…そうですか」

うつむくハルちゃん。ってか、カワイイ顔してすごい性格してるんだな。

まあ、明日も休日ってことで特に何もなく眠りにつきました。まる。
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