●● 猫=神様 --- No.8! ●●
「はぁ〜」
それにしても、居候がふたりかぁ。
光希だけでも疲れそうだってのに…。
食費、生活スペース、プライバシー…いろいろと問題が頭の中に広がっていく…。
「あ〜、もうやめだ!やめ!」
「ター君?」
先輩が不安そうにこちらをみる。
そりゃ、隣でいきなり「やめだ!」なんていわれたらびっくりするかもな。
「…いや、あんま気にしないでください」
考えてばっかりじゃ始まんねぇ。
とりあえず今しなくちゃいけないのは…
腕時計で時間を確認………先輩の手をつかむ。
「え?ッタ、ター君?」
多少強引かもしれないけど今はそんなことかまってる場合じゃない。
ってか先輩。何故に赤い?
「先輩ダッシュ!!遅刻しますっ!!」
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「行った…わよね?」
道路を走っていく二人の学生を見ながら言う。
それにしてもやっぱり下界はいいわねぇ。
『お金』なんてメンドクサイものがあるけどその代わり自分の好きなことが出来るし、足元もふわふわしないから歩きやすいし…あ、それは同じか。
でも、なんといっても人類が作ったアルコールね!
上にもあるにはあるんだけど種類が少ないのよぉ。
やっぱりワインとかシャンパンくらいないとねぇ。
あ、でも熱燗はかかせないわねぇ。隆史君に作ってもらおうかな?
高校生とはいえ、今日の朝食見たけど彼、なかなかの腕前よね。
トーストに塗ってあったジャムも自家製みたいだったし。
そういえば隆史君ってお酒飲めるのかしら?
夜に光希ちゃんだけ寝かせといて二人で飲み明かすのもありかも!
いや、光希ちゃんにも大人の楽しみを味合わせてあげようかしら?
「ギブッ!!お…ねえ……さ!!」
テチテチと私の腕を何かが叩く。
あ〜、そういえば光希ちゃん預かってたんだっけ?
ん?『預かる』?
「あ!そうそう光希ちゃんに教えてないことがあったのよ!…って光希ちゃん!?」
もぉ、なんでこの子は窒息寸前なのよ!?
「お、お姉さま強く締めすぎ!」
わ、光希ちゃんに椀力で強いとか言われるとちょっとショックかも。
「…で、私に教えてないことってなんですか?」
あ、しっかり聞いてたんだ。
フッフ〜。でも条件があるのよ!
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それにしても『ワンカップを買ってきてあげるから』なんて隆史君も卑怯な手を使ってきたわ。あれ?私が注文したんだっけ?
ま、いいわ。今は光希ちゃんにやってもらってるんだから。
私はゴロゴロしてられるし、光希ちゃんも未来のお勉強になるんだから一石二鳥よね♪
…と、思ったのもつかの間。
ガッシャン!
「…また?」
「ごめんなさぃ〜」
私の力ですぐに直せるとはいえちょっと割りすぎ。
ガッシャン!
「……はぁ。8枚目よ〜光希ちゃん」
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