●● 猫=神様 --- 世界主 ●●
「ニェェ、フォントにふいてっちゃダウェ?」
「だから、昨日も言っただろ?学校ってのは関係者以外入っちゃいけないんだよ。ってか口にものいれたまま喋るな」
「むぅ〜、でも私は隆史の被護者だよ?」
う〜ん、保護者ならギリギリで入れるかもしれないけど…。
ってか、お前パンくず落としすぎだ。
「ほらほら、光希ちゃんもっとお行儀良く食べよっか?」
光希の隣に座っていた巫女服姿のお姉さんが注意する。
「そうそう、どうせ俺が掃除しないといけな…ってあんた誰だよ!?それにいつからそこに居た!?」
おっかしいなぁ。こんな人、家に入れた覚えは…
「おねえはま。おはおうごまいあ〜す!」
「おはよ〜光希ちゃん。そして守護者君」
守護者?
ってことはもしかして世界主さんかこの人?
でも、この人巫女服着てたっけ?
う〜む。酒臭いのと酔いつぶれてたのしか覚えてない…。
って、第一印象最悪だな。オイ。
「たかひっへひうんだよ♪」
「へぇ、たかひ君かぁ。変わった名前だねぇ?メモメモっと」
「世界主さん、『たかひ』じゃなくって隆史です。光希、いい加減飲み込め」
そう言ってすでに空になっている光希のコップに牛乳をついでやる。
「ちょっとは考えて食べろよ?」
「ふむふむ。『隆史君は世話焼き』っと」
見ると、さっきから世界主さんがノートのようなものに何かを書いている。
「あの〜、それは?」
「あ、なんでもないよ観察記録」
そういいながら見せてくれたその表紙には『光希ちゃん成長観察記録』と大きく書かれていた。
「これからここに居候するにあたって君たちを観察しまくるからよろしく〜♪」
いやいや、『よろしく〜♪』じゃないですよ!
それじゃぁ俺のプライバシー完全丸裸じゃねぇですか!
ん?
「「居候ってまさか…」」
俺と光希同時に世界主さんをみる。
「『ときどき息ぴったり』っと。って、あれ?光希ちゃんも聞いてない?」
「初耳だよぉ」
「おかしいなぁ、こっちに来るちょっと前に公衆電話使ったのに…番号間違っちゃったかな?」
っておい!
どうなってるんだ神様メディア!
公衆電話使えるのかよっ!
「ピンポーン!ター君学校行こっ?」
ってもうこんな時間かよ!
やべぇまだ皿洗ってないよ…。
放っておくと汚れが頑固になるんだよなぁ。
ちなみに、学校の用意は昨日のうちにやっておいたし制服はパン焼く前に着たから問題なし。
「あ、食器洗いね。それならやっとくよ」
「お!助かりますっ!」
さすが世界を治めるだけのことはある!心が広いっ!
「そのかわり、帰りにワンカップね♪」
あぁ、おれの中でどんどん神のイメージが崩れていく…。
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